『朝鮮』と聞くと、日本人の多くは『朝鮮半島』を連想し、国としては『韓国』もしくは『北朝鮮』をイメージされると思います。
ただ、ここで言う『朝鮮族』はそれとは別です。中国に認められた56の少数民族のうちの1つの民族を指しています。
『中国人』としての国籍があり、自身が属している民族名が『朝鮮族』ということになります。
人口としては200万人に満たないくらいの数で、エリアは主に東北側に多く確認されています。
朝鮮族の使用言語は朝鮮語と中国語の2か国語であることがほとんどであるため、居住が集中しているエリアにおいては専門の大学も存在しています。
ちなみに、朝鮮語は言語構成が日本語と似通っている部分があるため、
同じ東アジア圏ということもあり、日本語も勉強し、話せる朝鮮族も多数で、
そういった方は複数国の言語を扱えることを強みにアジア圏で広く活躍されています。
具体的には韓国に移住する朝鮮族が増えてきており、人口増加が今も著しい中国において、
人口減が目立つ珍しい民族の1つであるということも言えるというのが、朝鮮族の今日です。
朝鮮の派生であるため、やはり韓国と食文化は似ているところが多いです。
キムチ、ビビンバ、コチュジャンなど。
拌鮮子というアサリのキムチのような料理、スンデという豚ともち米から作られるソーセージのような料理、
どんぐりから作る麺類の一種であるムクという料理など。
麺で言えばとうもろこしを原材料とした料理もあります。
このように、朝鮮列島が大元であること、現在に至っては韓国側からの流入も多いことなどを背景に、
韓国系の食文化が朝鮮族の食文化となり替わりつつあるというのが現状です。
ここでも食文化同様に、韓国系の文化とかなり重なっているようです。
有名どころとして挙げられるのがチマチョゴリでしょうか。
これは朝鮮の伝統的な衣装で、チマとチョゴリに分けられます。チマはスカート部分、チョゴリは上着部分にあたります。
国によっては決まった色のチマチョゴリが正装にもなっており、そういった文化が中国の朝鮮族のあいだでも脈々と受け継がれているということでしょう。
朝鮮族の中では信仰の強い宗教は特段ないようです。
もちろん、中には仏教を信仰されている方、キリスト教を信仰されている方などいらっしゃいますが、
朝鮮族と言ったらこの宗教だと呼べるようなメイン宗教はありません。