その多くがトルコ系であり、人口は1000万人以上の規模の民族です。
まずひと昔前の状況として、最初からひとつにまとまっていた部族ではありません。
居住地などによって「トルファン人」、「クチャ人」、「カシュガル人」、「サマルカンド人」、「ブハラ人」など
複数の部族が存在していました。
それが近代になり、ソビエト政権の影響でウイグルが再定義されていき、
直近では中国が認めた少数民族のうちの一つとして、ウイグル族(ウイグル自治区)が認められたという経緯です。
チベット自治区と隣接しており、主な役割を果たした宗教の一つにチベット仏教があります。
そしてそれとは別でイスラム色が強いエリアも混在している、宗教や文化が多彩な民族であると言えるでしょう。
まず女性の風習として、ほとんどの女性が髪を切らずに長く伸ばすという風土があります。
その髪を三つ編みにするなどしているのがウイグル族美人の証明なんだとか。
また、ドッパと呼ばれる帽子も有名です。
見た目は色鮮やかなものが多く、頭全体を覆うのではなく、
後頭部周辺で被るような大きさで、その長く美しい髪をより際立たせる効果があります。
そして、身につけるのはアドラスと呼ばれるドレスです。
とても歴史があり、基本はカラフルな配色で、エリアによって模様にも違いが表れます。
生地によってはとても高価だそうです。
日本と対照的な文化として、オスマも挙げられます。
葉液を利用し、眉毛と眉毛を繋げてしまうという文化です。
日本とは違って、ウイグル族の美人要素の一つは太くて濃い眉毛と言われており、それを表す風習だと言えます。
ロパチもポピュラーな文化の一種です。
これは頭からすっぽり被るスカーフのことを指しています。
イスラム教文化の影響と、砂漠が多いエリアである点、双方から根付いていきました。
ただ、これも黒一色のものだけではなく、カラフルなものやレース生地のものなど、種類詳細は多岐に渡っていてオシャレです。
そしてその文化の別派生の先に、スカートの中にズボンを履くという習慣にも行き着きます。
肌の露出を嫌うための習わしです。
また少し別の地区にも目を向けると、タルペックという帽子にも出会うことができます。
女性が被る、黒くて小さな帽子のことを言います。
砂漠の影響は当然食文化にも出ており、メインはオアシスを活用した農耕や牧畜から得られる食事をとっています。
小麦を使った料理で日本でも馴染みのあるのがナンです。
中華まんと似ている、専用の生地で具を包み蒸したマンタ、麺類のラグマン、ボソなど、ナン以外でも日本人に受け入れられやすそうな料理が多い印象があります。
ラグマンは小麦粉から作られた麺に、羊の肉や野菜、唐辛子などの具材を乗せて食べる料理で、
スープのあるもの、ないもの、麺を焼いたものなど、ラグマンだけでも豊富な種類があり、広く知られている料理です。