イ族とは、中国の少数民族の1つで、人口はだいたい900万人弱程度存在しています。
エリアとしては四川省や雲南省、貴州省や広西チワン族自治区などに多く居住し、少数民族の中でもトップ10以内に入る人口数を誇っています。
もともとイ族は、西側の内陸部に端を発しているようです。
古羌と呼ばれる群の子孫だと言われており、羌族やチベット族とは古からの繋がりが強いという説もあります。
中国の中でも上述したうち雲南省への流入が特に多く、今を迎えている民族です。
イスラム教、仏教など、複数の宗教から影響を受けており、一概にイ族の重要宗教を挙げることは難しいです。
ただ、イスラム教を熱心に信仰しているグループや、
司祭が先導する精霊信仰があるなど、それぞれの宗教にしっかりと根付いて行動していることは見て取れます。
伝統的に厄払いや冠婚葬祭関係を取り仕切る存在もあり、ビモと呼ばれています。
これはイ族の大きな特徴でしょう。
イ族の中でいろんな役割を一手に担っており、大変重要な存在です。
また、イ族の一部エリアにおいては直近まで奴隷制度が残っていたところもあるようです。
族を二分し、貴族側と奴隷側で文化形成をしていた時代があり、これもイ族を語る上での重要なポイントの1つだと言えます。
イ族最大の目玉とも言っていいのが火祭りです。
これは旧暦でいう6月の後半に数日かけて行われるお祭りで、かなり有名なイベントとなっています。
もとは農業、特に田んぼでお米が豊作となるように、村人が太鼓などを叩き、踊り、願うことで害虫を追い払おうとしていたのがスタート。
それが今や時代の流れもあり、観光客も多く訪れるような伝統的祭に発展したということです。
広場の中央部には大きな火が灯されていて、またそれを囲む周囲の人々の手にはタイマツがあり、楽器の音に合わせて踊りまくります。
しかもそういった大きな火がいくつもの場所にあり、人がごった返しているのが最近の火祭り事情のようです。
さらに、他にレスリングや競馬など別の行事も併せて催され、大変な盛り上がりを見せています。
伝統的なものとして、ツアンパと呼ばれる麦系の穀物と水で作られた主食があります。
とうもろこし、じゃがいも、麦などを栽培し、家畜の放牧なども行っているようです。
また、山間エリアでもあるため、マツタケなどのキノコ類も多く採取できます。
それらを使った料理が多く、市場に出回る品としても同様です。