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中国の花茶

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中国の花茶

中国伝統のひとつである中国茶は作り方、発酵度によって分類される。不発酵茶は緑茶、微発酵茶は白茶などと6つに大別されるのだが、その中の緑茶や青茶に茉莉花(ジャスミン)など花の香りをつけた茶は花茶と呼ばれ、最近では六大分類に花茶を加える7種類で中国茶を分類するのが主流となっている。

 

さらに、花茶は製造方法や原材料によって細分化することができる。それが以下の3つ。

・花びらの香りを茶葉につけたもの

・花びらそのものを茶葉に加えたもの

・花びらを煎じたもの

 

歴史

『茶経(ちゃきょう)』という世界最古のお茶に関する本においては、お茶の歴史がどのように始まり、どういった変遷を辿るのかを、製造法や道具、入れ物、飲み方など多岐にわたる視点で記されている。そしてそのなかには、餅茶の詳細についても記載がある。摘みとった茶葉を蒸し、日干し、乾燥させて保存し、飲む時はそれを細かく砕き、塩を入れた湯に加えて煮る、と書いてある。

 

最初は貴族の飲み物であったお茶も、宋の時代以降、役人や文人などある程度豊かな層の市民にも親しまれるようになる。詩を吟じるとき、書をたしなむとき、絵を描くとき、哲学を論じるときなど、あらゆる場面でお茶が飲まれた、とある。お茶の良し悪しを鑑定し、茶器の良否を競う「闘茶」という遊びも、このころから始まった。

 

時代が明になるとお茶の歴史はさらに変革期となる。それまでお茶を飲む対象だった貴族や富裕層に限らず、一般市民へも広く普及していく。加えてこの時代、団茶はうま味に欠け、製造にも手間がかかるという理由から、初代皇帝の洪武帝(朱元璋=しゅげんしょう)より団茶禁止令を出されている。そしてこの後、「散茶」が本格的に生産されるようになったことで茶葉の主流も大きく変化。蒸し製法に代わり、釜炒り製法が一般的になったことをきっかけに、残った団茶を飲む方法として、ジャスミン花の香りなどを着香させた「花茶」が登場することになる。

 

また、同時期には浙江省の西湖龍井茶(ろんじんちゃ)や安徽(あんき)省の黄山毛峰(こうざんもうほう)などの緑茶も広範囲に認知された。さらに少し後には福建省の武夷茶が上流階級に重宝され、商人が大金をはたいて買い占める、という流れが起こった時代でもある。

 

清の時代になると、中国伝統の茶葉や茶具はほぼ完成し、お茶の文化は最盛期を迎える。福建省では青茶(烏龍茶)が開発され、「花茶」とともに人気を博す。良い茶器を使用することでまず「香り」を楽しみ、次に茶杯で「味」を楽しむというこのころ出来上がった慣習が、「花茶」を長く普及させている大きな要因だと言える。

 

種類

花茶は、茶葉を主な原料とするもの、花びらそのものを使うものの大きくふたつに分けることができる。そしてそれぞれに複数のお茶が存在しており、その簡単な特徴が下記である。

 

~主な原料が茶葉~

・ジャスミン茶:アラビアジャスミンとも呼ばれるマツリカという花で香りをつけたお茶。

・珠蘭花茶:チャランという花を乾燥させ、茶葉に混ぜたお茶。

・桂花茶:キンモクセイという花で香りをつけたお茶。桂花烏龍茶というお茶もある。

・蓮茶:ハスの雄しべで香りをつけたお茶。ベトナムで特に愛飲されている。

 

~花びらそのものを使用~

・菊花茶:漢方としても扱われるお茶。乾燥させた菊の花で作られるが、プーアル茶など、他の茶葉と混ぜるケースもある。

・洋菊茶:黄色い花の菊花茶と対照的に、白い花が使われているのが特徴。

・薔薇茶:開花直前のハマナスのつぼみを乾燥させる。黒茶とブレンドするケースも普及。

・玳玳花茶:乾燥させたダイダイの花を使うのが特徴。