中国紅茶は、ウーロン茶や中国緑茶と同様に、中国で独自に発展したお茶です。
インドの「ダージリン」、スリランカの「ウバ」に並び、
中国紅茶の「祁門(キーマン)」は世界三大紅茶として世界広く親しまれています。
発酵茶に分類される紅茶の中でも、中国紅茶の香りは果物や花に例えられることが多く、渋みを抑えた甘い味わいが特徴です。
世界でひろく親しまれている紅茶の元祖は中国にあるとされています。
中国紅茶の発展には諸説ありますが、中国茶が西洋へ輸出されて、
イギリスをはじめとしたヨーロッパへ広がっていくうちに西洋嗜好に合うものとして生産されてきたとされています。
中国紅茶を生産方法や特徴から大きく分類すると「工夫紅茶」・「小種紅茶」・「紅碎紅茶」の3つに分けることができます。
工夫紅茶の工夫とは、時間や手間を惜しまずに丁寧に作ることを意味しています。
丁寧に作られた高級紅茶として輸出向けに発展してきたとされています。
「祁門(キーマン)紅茶」や「英徳紅茶」、「雲南紅茶」など、銘柄や産地名が付けられることが多いです。
中でも、「祁門(キーマン)紅茶」は安徽省祁門県が産地の中国を代表する中国紅茶です。
上等な嗜好品として非常に高価な献上品・プレゼントとしても人気があります。
スモーキーでありながら芳醇な花の香りのする、「祁門(キーマン)紅茶」は中国茶のブルゴーニュ酒とも称されています。
小種紅茶は、工夫紅茶より歴史は古く、16世紀から親しまれている紅茶です。中国紅茶の起源とされています。
その特徴は、松の木を使用した乾燥方法にあります。製造過程で燻煙される独特な香りのフレーバーティーとなります。
代表的な小種紅茶は、武夷山が生産地の正山小種(ラプサンスーチョン)です。
強い癖のある燻された香りを好む紅茶愛好家に世界中で愛されています。
紅碎紅茶の歴史は比較的新しく、20世紀頃から中国国外の紅茶文化を参考に生産が始まったとされています。
産毛の生えたタイプの茶葉や細かくカットされた茶葉を使用することで、発酵や抽出の製造時間を短縮し大量生産を可能にしました。
主に輸出向けのティーパックに使用されています。
中国紅茶は、その独特な香りが特徴的です。
また、タンニンが少ないため強い甘味を感じることができます。
そのため、砂糖やミルクを入れずにストレートで味わうことで、中国紅茶の持つ本来の特徴を楽しむことができます。
渋みも少なく、まろやかで飲みやすい国際的にも評価の高い中国茶の1つです。