中国伝統のひとつである中国茶は作り方、発酵度によって大きく7種類に分類されます。
そのうちの一つがパオチャと呼ばれる白茶です。茶葉の芽の部分に白い色をした毛がたくさんあり、これが『白いお茶』とされる理由となっています。
摘み取った茶葉を一定時間寝かせ、水分量を減らしつつ発酵させる萎凋(いちょう)という工程を経由し、
その後乾燥させるために火を入れるだけという、種類の豊富な中国茶の中でも特に簡易的な製造工程です。
そして、白茶(パオチャ)は『揉捻』という工程を経ないのだが、これは六大茶類の中で唯一となっています。
ちなみに萎凋についてですが、エリアによって外で太陽の光を借りて行う萎凋と、室内にて行う萎凋とがある。
どちらも送風するための機械や人が揉んだりする行為によって発酵度合いを進めることはしないため、発酵には時間をかけている。
しかも、黒茶(プーアル茶等)のように微生物の力にも頼っておらず、茶葉自身が本来から持っている酸化酵素による酸化発酵がメイン。
黒茶以外の別の茶葉もこれと同じ発酵手法をとっています。このフェーズですでに茶葉の中の水分はほとんど蒸発。
萎凋の工程を終えた茶葉は、竹でつくられた入れ物に入れて火にかけてさらに水分を飛ばしていきます。
このタイミングで酵素発酵がストップとなるのです。
白茶の中の一つである白豪銀針は、茶葉が熱を持った状態で紙の袋に入れます。
この目的は二つ。一つは、茶葉は熱いと柔らかいため、その状態で袋詰めすることで茶葉が壊れることを防止することを可能にしています。
もう一つは、数日にわたってわざと蒸れをもたらすことで、熟成度合いをさらに促進させる、という狙いです。
ただ、このステップにはとても難しいテクニックが必要と言われております。
このポイントの出来次第で『ムレ臭』の濃淡に違いが生まれ、質の高低がムレ臭によって決まるというわけです。
加えると、臭いだけでなく色にも違いがあります。
質の良い白茶は均一なヒスイ色で、灰色や褐色化した白茶は萎凋のフェーズなどで対応やテクニックが不十分だったと判断されてしまうのです。
先ほども述べたとおり、他の種類の中国茶と違って揉捻がないので、茶葉はそのままの状態で出荷されていくのですが、
それが飲み方にも影響を与えています。茶葉の動きを視覚的に楽しむため、耐熱ガラスの入れ物に注いで飲むのが一般的です。
また、香り、味、色とどれをとっても品があり、夏ばてにも効く、解熱作用がある等、白茶は高バランスなお茶であります。
福建省での特産品で、他エリアではほぼ生産されておりません。
皇帝に献上していたときの名称は雪芽(せつが)。
現在親しまれている白茶は、宋代の緑茶が起源のようです。
1910年から1920年、白茶は特にポピュラーな存在でしたが、その後は戦争の歴史によってつくられる量が大きく減少したと言われています。
そして1922年には『白牡丹(はくぼたん)』という種類のものが生産されるようになりました。
白茶の中でも代表格。一芯一葉摘みであるため大変レアで、中国でつくられるお茶のうち、わずかな生産量にとどまっています。
中国茶のさまざまな特徴において、この白豪銀針は特に味わいが柔らかいという点で有名です。
その解熱効果から、夏の時期によく飲まれるお茶として認知されています。
一芯二葉の茶葉から生産されます。白毫銀針と比較すると、相対的には価値が低くされることが多いのですが、
中にはこちらをより好んでいる層もいるくらい渋い存在です。
味わいだけでなく、内に秘めたコクの強さがポイントとなっています。
一芯二葉から一芯三葉の茶葉によって生産されているものです。
老いた人の特徴である白い眉、これに見た目が似ていることが名前の由来だとする説が有力です。